最近「発達障害」という言葉が世の中に認知されてきた事で、大人になってから「発達障害である」と診断を受ける人も多くなっているようです。
発達障害は親のしつけや愛情不足が原因でなるものではありません。
発達障害は生まれつき脳機能の一部に障害があり、日常生活に支障をきたしている状態。
しかし、発達障害は早期に発見し、自分の特徴を知ることで対策を考えることができます。
6月3日に放送された「世界一受けたい授業」を元にまとめたいと思います。
大人の発達障害の特徴
①空気が読めない、思ったままを口にしてしまう
②自分の決めた手順やパターンにこだわる
③同じ失敗を何度も繰り返す
大人の発達障害で多いのは主に2つ。
コミュニケーションが苦手などが特徴の自閉症スペクトラム障害。
注意力に欠け、落ち着きがないなどの注意欠如・多動性障害。
※両方の特徴が重なる方も少なくはないです。
突然キレたり、片付けられないのも大人の発達障害の特徴です。
発達障害の方は程度や頻度が普通ではなく日常生活に支障をきたしているという点が重要です。
大人の発達障害の方の話
発達障害である女性Aさんのお話では、社会に出てみたら「他の人が当たり前にできることが1つもできなかった。人間関係もうまくいかなかった」と仰っていました。
発達障害は知的障害のない人が多いので、学校の成績も悪くなく学生時代には気づかれない事が多いです。
社会に出てから対人関係、仕事のミスを繰り返すなどの悩みを抱えるようになります。
インタビューに答えていた女性が実際に生活面で大変だと思っている事は、
①片付けができない
引き出しなどにしまうと自分の中で「無い」という事になってしまうので、逆にしまわないようにしているそうです。
②忘れものが多い
洗濯したまま干すのを忘れてしまうのは日常茶飯事だそう。
洗濯もできるし、掃除もできるが並行してやるのが難しい。
③同じものを何度も買ってしまう
それとともに、買い忘れてしまう事も多いそう。
④集中すると気付かない
番組では、習い事に行っている娘さんのお迎えに行かないといけないのに、料理に集中してしまい連絡のメールにも気付かないという場面がありました。
⑤遠まわしな表現が理解できない
お子さんが幼いころ何度か「ママ、足が痛い」と言われた事があるが「何でだろう?」と、分からなかった。
「靴が小さくて足が痛い」と言ってくれたら理解することが出来るけど、ただ「足が痛い」だと分からない。
このように、人の表情や言葉のニュアンスが読み取れない。
Aさんは大人になってから発達障害だということが分かって「出来ないことを自分の力だけで克服しようとしないで、周りに助けてもらうようになってきた」そうです。
また、ご夫婦で発達障害だという方に話を伺うと、探し物が得意ではないので、いろいろなところにラベルを貼って、しまっている場所を分かりやすくしているそう。
細かく書かないと分からいので、矢印も書きこみ↓の棚なのか↑の棚なのか、引き出しの底にもラベルを貼り元に戻せるようにもしているそうです。
集中すると話かけても気づかないので、家の中でもメールをして、常にスマホは首から下げて生活をしています。
発達障害であるからこそ、お互いの事がよく理解できるそうです。
発達障害の診断方法
今まで挙げた発達障害の特徴に複数当てはまるからといって、発達障害かと言ったらそうではありません。
症状の頻度、重いか軽いかで精神科医が国際的な診断基準に基づき総合的に判断します。
もしご自身が発達障害なんじゃないかと思った時は、病院に子供のころの成績表を持っていくと診断の役に立ちます。
発達障害は生まれつきのものなので、本人や親が忘れていることもありますが、担任のコメント欄に「落ち着きがない」や「忘れ物が多い」「協調性がない」など書いてあると参考になります。
発達障害だと分かった場合でも現在までで根本的な治療法はありませんが、本人または周囲が工夫や努力を重ねることで社会生活に適応できるようになります。
