世界一受けたい授業の中でも一番好きなのが「本当は怖い名画ミステリー」です♪
久しぶりにその授業があったので大興奮
(o_ω_)o♡♡♡
今回の授業で取り上げられた絵画を紹介したいと思います。
プリンセス ソフィヤ
この険しい表情をした女性は17世紀のロシアに実在したプリンセスのソフィヤです。
彼女は権力を握るため、母親の違う弟のピョートル大帝を殺害しようとするも失敗に終わり、逆に修道院に閉じ込められたのです。
左奥にいるのはソフィヤの付き人。
おびえた眼差しで物陰にひそんでいます。
対してソフィヤは堂々と腕を組みこちらを睨みつけています。
怒りと、「もう権力は握れないだろう」と絶望の感情が入り混じっている表情です。
右の窓の外には首つり死体。
死体の正体はソフィヤの支持者のトップ。
これは弟ピョートル大帝による「いつかお前をこうしてやる」というソフィヤに対する脅しのメッセージだと言われています。
レディ・ジェーン・グレイの処刑
16世紀のイギリスで実際にあった処刑のシーンです。
タイトルは「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
下の首置き台を手探りしているのがジェーン・グレイで、イングランドの初代女王です。
10代で政略結婚をさせられ、結婚相手のお父さんが権力志向だったので、彼女を王座に付けることで自分の権力を手に入れようとしました。
そして、もう一人の女王候補を殺してしまおうとしたが、失敗して捕まります。
そしてジェーンも反逆罪で処刑されました。
この時ジェーンは16歳。
怖いポイントは、ジェーンが髪の毛をまとめている点。
髪の毛というのは刃物が滑るので、しばって首を出す必要がありました。
台の下には藁がしいてありますが、これは血を吸うためのものです。
続いて、斧を持っている死刑執行人が右端にいますが、腰にはナイフを持っています。
これは、一打で成功するとは限らないので最終的に上手くいかなかった時はナイフを使うこともあったためです。
当時処刑される人は、処刑される前に死刑執行人にお金を渡すのが一般的でした。
これは心付けとしてで、なるべく苦しまないように早くやってくださいという意味もありました。
今のお金にすると約180万円くらい渡した話も・・・。
当時のイギリスの労働者の1年分の収入だったといわれています。
ちなみに斬首は階級の高い人の処刑で、一般の人たちは絞首刑でした。
これは斬首は絞首よりも苦しくないと思われていたためです。
イワン雷帝とその息子
ロシアの皇帝である父のイワンが頭から血を流す息子を抱きショックで呆然としている様子が描かれています。
実は息子を殺した犯人は父親自身。
凶器は手前にあるイワン愛用のつえ。
興奮すると我を忘れてしまうほど短期な性格でした。
これは我にかえった父親が殺してしまったことを悔やんでいるシーンです。
人体の解剖
光と影の魔術師 レンブラントが描いた作品。
人体解剖です。
位の高い医師が体の仕組みを教えています。
解剖に使われているのは処刑された犯罪者の遺体。
当時、人体解剖は一般の人も見ることができるイベントとしても行われていました。
この作品をきっかけにレンブラントは有名になりました。
あなたの息子を受け取ってください、旦那さま
うつろな目、半開きの口の女性、鏡にうつる男性に赤ちゃんを渡そうとしています。
この女性は妻ではなく愛人。
自分と自分の息子を認めてください、という風に言っています。
当時は働く女性が軽蔑されていた時代だったので、養ってもらわないと母子ともに亡くなってしまうので、こんな表情をしています。
赤ちゃんといってもお腹の中にいるような、子宮の中から出しているような描き方をしています。
そして途中で描くのを止めてしまっているので、下の方の白い部分は色がつけられていません。
途中で止めていることが余計に赤ちゃんを強調させ、かえって良くなっている作品です。
アルブレヒト・デューラー
15世紀のドイツ。
デューラーと親友のハンスがいました。
2人の夢は画家。しかし、2人は貧しかったので絵の勉強をする時間はありませんでした。
そんなある日、親友ハンスはデューラーに
「このままでは2人とも画家になる夢を捨てなくてはいけない。2人で一緒に勉強はできないが1人ずつ交代で勉強はしよう」と提案しました。
1人が働き、もう1人の勉強代を稼いで助けることにしました。
どちらが先に勉強するのか譲り合う2人はハンスの
「君は僕より絵が上手いから君から先に勉強をしてほしい。君の絵が認められたら僕と代わってくれ」
という言葉で、デューラーから勉強をすることにしました。
そして1人イタリアへ。
ハンスのことを想い、寝る間も惜しんで絵を描き続けました。
一方ハンスはお金がたくさん稼げる鍛冶屋に就職しました。
デューラーのために早朝から深夜までハンマーを打ち、今にも倒れそうになるまで働きデューラーにお金を送りました。
数年後、ようやく画家として認められたデューラー。
そして2人は再会します。
ところが、ハンスの両手は長年の力仕事でゴツゴツとした手に変わり果てていました。
「こんな手じゃ、もう繊細な絵は描けないよ」と。
君の夢を奪い僕の夢が叶ったと罪悪感に襲われたデューラーは、後日ハンスに謝るために家を訪れました。
するとそこにはハンスが静かに祈りを捧げていました。
デューラーが自分の事で傷つき自分を責めている、神様どうかこれ以上デューラーが苦しむことがありませんように、と。
そして、
私が叶えられなかった夢を彼が叶えられるようにと。
ハンスは恨むどころかデューラーの事を一生懸命に祈ってくれていました。
ハンスの想いを知ったデューラーはハンスのこの手の祈りで生かされていると感じました。
友情と感謝の心がこもった「祈りの手」が生まれたのです。